青森県弘前市嶽温泉の〈山のホテル〉より、「山のホテル マタギ飯&マタギ汁セット」

「マタギ飯」は、岩木山の南麗にある嶽(だけ)温泉〈山のホテル〉の商品で、青森県よしもとエリア社員 鳴海清花さんからの情報です。

推薦文には「津軽の霊峰富士と呼ばれる岩木山麓に構える老舗ホテル。疲れをいやす温泉と、ここでしか味わえない古い味『マタギ飯』。目の前でご飯が炊けていく湯気をみながら待つのは何とも言えない時間です」と記され、湯気が見えてくるような季節がら心温まる内容であります。

かつて嶽温泉のあるこの地帯には白神山地に分け入ったマタギたちが住んでいました。〈山のホテル〉の先々代もマタギでした。宿を営みながら何日も山に入り熊撃ちをしていたそうです。その先々代が、山の暮らしや食文化をヒントにつくった「マタギ飯」。これはさっそく食べてみたくなり、お取り寄せしました。

マタギ飯2合炊用(570g)が2つとマタギ汁(500g)が一つのセット商品。

マタギ飯つくります

2合炊用(3〜4人前)、具材は舞茸がたくさん入っています。舞茸のいい匂いがします。味のベースは醤油と鶏ガラ。普通にお米を研ぎ、30分ほど寝かせ、そこに具材を入れると、薄い醤油色になり具材が踊るように賑やかです。〈山のホテル〉によると生の舞茸をプラスするだけで、宿で出している本物の味に近づくとのこと。

舞茸はタンパク質、ビタミンD、亜鉛、食物繊維が豊富。うま味(グアニル酸)が強く、鶏肉のうま味成分(グルタミン酸、イノシン酸)と合体すると旨味が10倍になるという説もあります。

具沢山のワイルドな炊き上がりです。10分ほど蒸らします。マタギは「鉄ぽううぢの、おどぉ」などと地元では呼び、彼らは、獲物だった野鳥、山で見つけた舞茸やタケノコ、小川のせせらぎの土手に生えていたセリなどを収穫して、大自然の食材をお米と炊き込んで食べていました。小屋で熊の気配などを感じつつ仲間と黙々と。商品の具材は鶏肉ですが、マタギたちは撃ち落としたキジ肉を入れていたそうです。

マタギ汁がまた旨い

「マタギ汁」は舞茸土瓶蒸しです。これは袋から中身を鍋に入れるだけですが、山のホテルによるとこれにも生の舞茸をプラスがおすすめ。せっかくですので鶏肉、豆腐、三つ葉を入れました。味のベースは鶏ガラスープの塩味、舞茸がそれらに染み込み、鶏と舞茸のうま味はスープだとよく分かります。これで「鍋」も楽しみたいです。舞茸たっぷり入れて、鶏肉もミンチにした団子、秋田のきりたんぽなんかも放り込んでスープを染み込ませます。冬に体を温める料理としてもノミネートしておきます。

マタギ飯・マタギ汁をいただきます

青森・津軽の郷土料理に「色めし」「色ごはん」という醤油味をつけていろいろな具材を入れて炊く五目ごはんがあります。タケノコご飯、栗飯、鶏肉としいたけ、にんじんをまぜた色ごはんは、かつてひな祭りなどに食されたといいます。米どころ津軽ならではの行事食。こういった歴史もあることから、マタギには俺たちの色めしがあり、いつも間にか「マタギ飯」と呼ばれるようになりました。さて、2合は家族4人ぐらいでちょうどいいのですが、余ったときは翌日おにぎりに。これがまた味が染み込んで美味しい。

〈山のホテル〉

HP: http://www.yamanohotel.com

寒さの厳しい津軽にある嶽温泉〈山のホテル〉は創業300年、濃厚な白濁の湯(硫黄泉)で有名です。青森ヒバの香りがする内湯でゆっくりしたら、湯上りに待っている夕食は山の幸が満載。また鹿肉、猪料理も別料金で楽しめます。もちろん名物は注文を受けてから釜で炊く「マタギ飯」。

湯守の赤石芳枝さんが美味しい食べ方を教えてくれました。

「昔の旅館では釜めしはつくり置きし冷えたものを出していましたが、うちはお客様が到着してから7つの具材と米を一人前ずつ目の前の卓上で炊き上げます。この先祖のごちそうを再現した釜めしマタギ飯は近年では青森の郷土の味として紹介されることも多くなりました。お米は地元の『つがるロマン』です。もちろん炊きたてが美味しいのですが、スタッフは油揚げにお酢と甘味が染みこんだおいなりさんにして食べています。また、マタギ汁をかけてひつまぶし風にするのもおすすめです。」

((スペック))
山のホテル マタギ飯&マタギ汁セット
価格:4.500円(税込・配送料込み)
ご購入はこちらから。

「マタギ飯2合炊用(釜めしの素)」×2個
原材材料:タケノコ、ごぼう、糸こんにゃく、舞茸、せり、にんじん、鶏肉、鶏ガラスープ、醤油(大豆、小麦を含む)、酒、砂糖、食塩、調味料(アミノ酸)、水酸化カルシウム(コンニャク用凝固剤)
内容量:570g(具・スープ)

「お徳用マタギ汁大(舞茸土瓶蒸し)」×1個
原材材料:舞茸、鶏ガラスープ、食塩(無添加)
内容量:500g
常温(冷暗所)にて保存

販売者:有限会社岩木屋
青森県弘前市大字藤野2−3−5

文:作並太郎(本名:松木直也)
1955年生まれ。宮城県仙台市出身。桑沢デザイン研究所卒。宮城大学大学院食
産業学研究科修士過程修了。(専門分野:食育)
1979年より平凡出版社(現・マガジンハウス)の雑誌編集者及びライターとし
て「ポパイ」「ブルータス」などに携わり、音楽や食の関係者のインタビュー
を行う。のち様々な企業誌の編集長を歴任。
90年代後半三國清三シェフとのフランス取材において、ジャック・ピュイゼ教
授(フランス味覚研究所創設者)の「食育メソッド」の提唱を知り、2000年よ
り三國シェフの子どもたちの食育活動をサポート。
現在、東京都市大学付属小学校での食育授業(4年生・年12回)の「ミクニレ
ッスン」は11年目を迎えた。
吉本興業の新宿本社農園で栽培しているイチゴやトウガラシで食育活動を実施
し、「新宿よしもと唐からし」を商品プロデュース。
著名人の伝記も手がけ、著書に「ミクニの奇跡」(新潮社)「加藤和彦ラスト
メッセージ」(文藝春秋)「アルファの伝説 音楽家村井邦彦の時代」(河出書
房新社)がある。

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