宮崎県日向市、本吉さんの「原木栽培 低音乾燥椎茸 諸塚村産」は、シイタケ界の革命がもたらした逸品だ。

日頃たべているシイタケを私たちはどのくらい知っているかというと、生シイタケと干しシイタケがあって、干しシイタケは水に一晩つけておいた戻し汁が出汁になるというぐらいで、あとは、鍋のシーズンに、あのまん丸こげ茶色のシイタケを噛み切るときに熱い汁でアジジジィーにならないよう注意することぐらいじゃないでしょうか。

そんなわけで四の五の言わずにさっそく「原木栽培 低音乾燥椎茸 諸塚村産」で鍋料理をつくってみますが、その前に低音乾燥椎茸について説明しなければならない。
これは本吉さんの専務取締役 黒田利光さんに伺ったのだが、低温乾燥とはシイタケ業界での大変なイノベーションなのである。

低音乾燥椎茸とは、令和2年1月に特許を習得した鳥取県にある日本きのこセンターが3年かけて開発した新しい技術で、従来の高温短時間で乾燥させたものと比較すると、これまで一晩かけた戻し汁が、なんとお湯だと15分で戻り、うま味成分のグルタミン酸の含有量が2倍なのだそうだ。また、特有の香りもおさえられている。

宮崎県諸塚村(もろつかそん)産のシイタケは、世界で初となる椎茸のCoc認証(流通認証)を取得。これは農薬等の環境汚染物質を使わず、トレーサビリティが可能な森林認証林で切り出された原木を使用しなければ認証されない。

熱湯で15分、シイタケの繊維がゆっくりと戻る。

戻し汁の香りもまろやか。

【シイタケたっぷりねぎま鍋】
ねぎまとは漢字で書くと葱鮪(ネギ・マグロ)です。池波正太郎の小説『鬼平犯科帳』では長谷川平蔵も食べている。つまりは江戸時代からあった。

材料:めばちまぐろの赤身、中トロの刺身、ホタテ貝柱(魚屋さんのおまけ)、セリ、ネギ、細く切った戻した乾燥シイタケ。
作り方:戻し汁をベースに野菜から入れ、最後にまぐろ。味付けは醤油と日本酒少々。

戻した乾燥シイタケを細切りにし食べやすくしたのはたくさん食べてみたかったからです。めばちまぐろは安価なので嬉しいですね。味付けはシイタケの出汁がきいているのでシンプルに。楽味は柚子胡椒がいいかも。普段の鍋だとシイタケは1個しか食べませんが、これには5個入れました。まぐろとの相性はいいと思います。煮込むほどにまぐろに汁がしみこみ、白いご飯が進みます。

「椎茸と鶏の炭火焼」
本吉さんには「椎茸と鶏の炭火焼」という宮崎県産原木栽培乾しいたけと国産鶏肉の炭火焼の商品があります。これでも料理をつくりました。黒田さんは「若い人たちに干しシイタケの美味しさを味わってもらいたくて開発しました」と言います。肉の旨みをたっぷり吸収した肉厚のしいたけが食べ応えあるパンチの効いた一品で、それもそのはず宮崎県日向市特産の柑橘、へべす胡椒が入っています。

【椎茸と鶏の炭火焼のつけそば】

椎茸と鶏の炭火焼は湯煎してそのままでもおいしいのですが、イメージは鴨なんのようなつけそばにしました。
材料:椎茸と鶏の炭火焼1袋、ネギ、セリ、しめじ、茹で麺そば(2人前)
作り方:戻し汁をベースに野菜と炭火焼1袋同時投入。味つけはキッコーマン濃いだし本つゆ。少し煮込みました。

楽味にはもちろん「新宿よしもと唐からし」(絶賛発売中)。炭火焼の風味がそばとよく合います。ネギをちょっと炙っておけばよかったのが反省点。

「シイタケについて」

昨今シイタケといえば、大人気占い師シイタケさんによるシイタケ占い(VOGUE GIRLより配信)ということになるのですが、毎週月曜日更新の週間運勢占いは、本当によく当たると思います。(そういう人、多いと思います)
話がそれましたが、さて、食べるシイタケはハラタケ目キシメジ科に分類されるキノコ。マツタケ、ブナシメジなどと同じですが、何といっても、かつお節、昆布と並び日本が世界に誇る出汁文化における「うま味」成分をたくさん含んだ食物。特に干しシイタケは、乾燥によってうま味、香りが増すという特徴があります。(かつお節のイノシン酸、昆布のグルタミン酸、干しシイタケのグアニル酸を組合せると、うま味成分の相乗効果がある)

原木シイタケは、スギや広葉樹などの林内で栽培され、そのため、寒さや風、雨などの影響を受けやすく、冷たい風が当たると生長が止まったり、収穫直前に雨に当たったりすると、乾燥しても色が悪くなるそうです。顔に似合わずかなりデリケートです。
また、高級シイタケは丸いカタチが命。ギフト用で1万円ぐらいのものは丸くて肉厚です。しかし、味は同じでもカタチが整っていないものは、安価で供給が可能になります。ここ重要です。

本吉さんは、先々代が九州山地の中にある自然豊かな美郷町で、原木椎茸の栽培と卸業から始めた会社。原木栽培にこだわり、低音乾燥椎茸という新しい技術で開発されたシイタケが今、日本全国に広まっています。イノベーションされたばかりの干しシイタケをぜひ、お試しください。

(商品スペック)
原木栽培低温乾燥椎茸
 3,240円(送料込・税込)

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※産地直送のため、ご注文後から翌5営業日後の発送を予定しております。

原材料名:宮崎県産原木栽培乾椎
内容量:180g 
保存方法:直射日光、高温多湿を避けて保存して下さい。
製造者:株式会社本吉

椎茸と鶏(混ぜごはんの素) 椎茸と鶏(炭火焼き) 各3個セット
 4,500円(送料込み・税込み)

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※産地直送のため、ご注文後から翌5営業日後の発送を予定しております。

・原材料名:【椎茸と鶏(混ぜごはんの素)】乾椎茸(宮崎県産)鶏肉(国産)
      人参、ゴボウ(国産)、醤油(大豆、小麦を含む)、砂糖、食塩、
      米醗酵調味料、鰹節エキス、酵母エキス
・内容量:椎茸と鶏(混ぜごはんの素)180g×3個
     椎茸と鶏(炭火焼き)85g×3個
・保存方法:常温
・注意事項:直射日光、高温多湿を避けて保存して下さい。
      ※開封後は1回で使いきってください。
       袋のまま電子レンジにかけないで下さい。
       開封時に切り口で手を切らなないようご注意ください。
・製造元:カンショク株式会社 宮崎県日向市大字塩見13663番地

文:作並太郎(本名:松木直也)
1955年生まれ。宮城県仙台市出身。桑沢デザイン研究所卒。宮城大学大学院食
産業学研究科修士過程修了。(専門分野:食育)
1979年より平凡出版社(現・マガジンハウス)の雑誌編集者及びライターとし
て「ポパイ」「ブルータス」などに携わり、音楽や食の関係者のインタビュー
を行う。のち様々な企業誌の編集長を歴任。
90年代後半三國清三シェフとのフランス取材において、ジャック・ピュイゼ教
授(フランス味覚研究所創設者)の「食育メソッド」の提唱を知り、2000年よ
り三國シェフの子どもたちの食育活動をサポート。
現在、東京都市大学付属小学校での食育授業(4年生・年12回)の「ミクニレ
ッスン」は11年目を迎えた。
吉本興業の新宿本社農園で栽培しているイチゴやトウガラシで食育活動を実施
し、「新宿よしもと唐からし」を商品プロデュース。
著名人の伝記も手がけ、著書に「ミクニの奇跡」(新潮社)「加藤和彦ラスト
メッセージ」(文藝春秋)「アルファの伝説 音楽家村井邦彦の時代」(河出書
房新社)がある。

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