「こんなときだからこそ、コーヒーぐらいおいしいのを飲んじゃうもんね。文句あっか!」という方が増えているみたいです。ゲスト:たけだバーベキュー さん

今回は高知県の「四万十珈琲」の『土佐備長炭』で焙煎した赤と黒のドリップパックの紹介になります。ゲストはたけだバーベキューさんです。

たけだバーベキューさん

みなさん、美味しいコーヒー飲んでいますか?

文:作並太郎

私は家ではミルで豆をガリガリしたり、最近、外で美味しかったのは東京・祖師ヶ谷大蔵駅近くの喫茶店〈黒田珈琲〉の黒田ブレンドです。

コーヒーの好みは本当に十人十色です。たけだバーベキューさんは、深煎りの苦いやつで、私もそうです。黒田ブレンドは深煎りで、苦味がほどよくかなり深みがありカチッときました。

私なんかのコーヒーの味の基準は「苦いか、酸っぱいか」で、深煎りは苦味とコクがあって、浅煎りは酸味と香りがいいと、そんな調子でカチッとした味を求めて毎日三杯はブラックコーヒーを飲んでいます。

さて、「四万十珈琲」は地元の土佐備長炭で焙煎しており、炭火焙煎のコーヒーは全国的によくありますが、土佐の備長炭となるとかなり珍しい。
そのへんのことは後でふれますが、高知県の喫茶店の数が人口10万人あたり156.37軒(641人に1軒)と、日本一というのをご存知でしたか?
(大阪府5位、東京19位、愛知は3位)

高知の喫茶店の『モーニングセット』
高知の喫茶店の何が凄いかというと『モーニングセット』です。名古屋は『モーニングサービス』で有名ですが、こっちはセット。セットと言うだけに、セットされるラインアップが半端ない。

まずは写真を見ていただきましょう。これはたけだバーベキューさんのマネージャーが高知の出身で、2019年の1月に帰省したときに〈デポー〉というお店のモーニングセットを撮影したものです。

トーストとコーヒーだけではなく、それにはご飯とみそ汁がセットになり、それに卵系やサラダやバナナなどいろいろセットされて驚きの料金。
上のホットサンドのセットは600円。下のトーストのセットが680円(※撮影当時の値段)
余談ですが高知県宿毛市駅前町にある〈カフェレスト花時茶〉のモーニングセットのメニューは80種あるそうで、7:30amからの営業で2:00pmまでモーニングをやっています。こんなの家の近くにあったら毎日でも行きたい。

たまに火花が飛ぶ土佐備長炭
さて、全国のコーヒー専門店は大きなドラム式自家焙煎機を備えガスバーナーや電熱機で加熱して焙煎を行っていますが、土佐備長炭で焙煎している「四万十珈琲」はどうなっているかと言うと、焙煎機はオーダーメイドで、火起こしからはじめます。土佐備長炭はたたくとキンキンと金属音がし硬質で火力が強く火持ちが良いのが特徴です。

ガス式より手間がかかり、火力が強いので、たまに火花が飛んで周りに近寄れないこともあるそうで、フェイスガードでディフェンスして焙煎。そこまでして土佐備長炭にこだわるのはなぜなのか、オーナーで焙煎士の文野貴良さんに伺いました。

「地元、土佐の備長炭を使い始めたのは、高知独自のコーヒーを作りたいという思いからです。土佐備長炭は火力が強く無駄な煙が出ず、安定した火力を長時間保つので、コーヒー豆の持っている本来の香りと美味しさを存分に引き出します」と、この世界に入って22年の文野さん。

火の入れ方や焙煎の時間は、オーダーメイドの焙煎機の構造と炭が複雑に関係し、そのレシピは文野さんの頭の中にしかないそうで、焙煎機のこんなところで塩梅をチェック。

「炭あって豆ありき」
また、文野さんは「炭あって豆ありき」と、この焙煎方法にあった豆を各国の農園で毎年採取されるなかから選んでいます。

そんななかで赤い袋の『土佐備長炭焙煎珈琲』は、うちの味はコレと、ブラジル産、コロンビア産の豆をブレンドし、酸味を少なくすっきりと飲みやすくした定番コーヒーです。

黒の『土佐備長炭焙煎有機栽培珈琲』は、お客さんからのリクエストでブラジル産、グァテマラ産の有機の豆を焙煎し、赤よりも深い苦味を出しパンチを持たせしっかりとした味にまとめた。これで一杯200円しません。ぜひ、お試しください。

たけだバーベキューさんの感想
「僕は、深煎りの苦いのが好きなんですけど、両方飲んでみて、赤は、酸味がほどよくしっかりとした苦味とコクがありました。黒は、奥の方にうまい苦味がぐっときて美味しいです。
キャンプだと紙カップしか持ってこない人もいるから、ドリップパックで簡単に飲めるのもいいし、このおいしさにはちょっとびっくりすると思いますよ。
僕もキャンプで料理するとき備長炭を使いますが、いい備長炭は火力調整が難しいけど、樫の木のいい匂いがするんです。今度キャンプするとき、生豆を買って自分で焙煎してみたいですね」

たけだバーベキューさんが自分で焙煎してみたいと言うので、ガス台でできる家庭焙煎のやり方をちょっと調べてみました。焙煎は「浅煎り」「中煎り」「中深煎り」「深煎り」の4段階あります。

家庭焙煎のやり方

  • 把手のついた金網に生豆を入れ、中火でガス炎の上30㎝の高さで水平に保ち、前後左右ゆっくり降り続けて豆を温めます。
  • 豆が柔らかくなって水分が蒸発し、12分〜14分で「バチッ」とコーヒー豆がハゼる音がはじまり、この音を「一ハゼ」と言い、そのときはまだ「浅煎り」、アメリカン。
  • そのまま続けていくと今度は「二ハゼ」の音が小さく「ピチピチピチ」と聞こえてきて、この始まりの手前が「中煎り」。
  • のち「ピチピチピチ」がはっきりと聞こえると「中深煎り」。
  • 「二ハゼ」が収束し豆の表面に油が浮くと「深煎り」。
  • 自分好みの焙煎度で『煎り止め』し、うちわで激しく扇いで急速に冷やして完成。

これはガスですが、炭火でやるとなると火力調整など、簡単ではなさそうです。しかし炭火焼きは遠赤外線という熱をよく伝える力があり、炭火から発生するガスは一酸化炭素などを多く含んでおり、これで酸欠に近い状態で加熱されるので、焦げる匂いがつきやすいという説もあります。つまり炭が良ければ香りのいいコーヒーが素人でもつくれるのではないでしょうか。(そんな甘くないか)たけだバーベキューさんの話を続けます。

アウトドアでのコーヒーの楽しみ方。

「僕はキャンプではコーヒーを飲む作業工程が好きで、キャンプ場近くで湧水を探して、それをやかんに汲んで沸かし、ノズルの細いドリップケトルにお湯を入れ変えて、豆をコンパクトなミルでガリガリしてペーパーフィルターで入れます。

キャンプ場に着いたらそんなことから始めますが、コーヒーがメインになるのは、朝起きて太陽が眩しいなか、残った焚き火の香りとかして、そんなときにコーヒーでグッと目を覚ますのが最高ですね」と、こんなの格別でしょう。

また、最近、コーヒーにカヌレという組み合わせがいいそうだ。パサパサしない甘さとコーヒーは本当に相性がいいです。

最近、北鎌倉にオープンした〈マヤノカヌレ〉のカヌレは米粉を使用。大きめで400円でした。

文野さんのコーヒーにおすすめ菓子

さて、四万十珈琲の『土佐備長炭焙煎珈琲』はその美味しさが口コミで広がり今や高知ばかりではなく全国的に通販でも人気商品です。

文野さんが決して安くはない土佐備長炭を使い続けているのには、それがコーヒー焙煎に適しているということばかりではなく、地元で炭をつくる職人さんの技術を伝統文化として継承していくために、次世代の力になりたという強い思いがあるからなのです。

そんな高知を盛り上げる気持ちは地元の喫茶店のマスターたちにも伝わり、文野さんにオリジナルのコーヒーをオーダーしてくる店も多く「おいしいのをつくってくれ」というのが一番大変で悩むそうです。

そんな文野さんにコーヒーに合うお菓子を聞くと「芋けんぴ」。これもまた高知の名物です。とことん口の中を甘くして飲むブラックコーヒーもたまりません。

コーヒーいろいろ、人生いろいろ

私がよく行く大船のコーヒー豆の専門店はいつも混んでいます。中年から初老の男女が並び「イタリアンロースト200g、挽いてください」とは30代とおぼしきビジネスマン。「ハワイアンコナをお豆で」と夫婦で買いに来ている人たちも少なくありません。

食品産業新聞社の2020年9月に記事に『家庭用コーヒーが売上伸長、外出自粛や在宅勤務が影響、新しい買い物様式に各社対応』とし、特に豆製品が昨年4〜6月の販売金額が前年比で約1.5倍と伸び、こだわり派や豆を挽く体験を楽しむ人が増えている」とあります。

「こんなときだからこそ、コーヒーぐらいおいしいのを飲んじゃうもんね。文句あっか!」という方が増えているみたいです。もちろん文句はありません。違うところにはたくさんありますが。

最後に、昨日の朝の9時ごろ、鎌倉のスターバックスで見た光景を。

スーツ姿で来るなりジャケットを脱いで、パソコンで仕事をするビジネスマンやちゃんとお洒落したデキそうな女性、また、クリエーターらしき若者も多し。そして勉強する学生、そんななかで静かに読書する孤高の年配者と、みなさん一人で黙々と集中していました。今はコーヒー一杯で何時間も粘りやがって、などと文句は言われないのですね。(かなり古いタイプ)

また、仙台のとある喫茶店では「大吟醸ブラジル」がブームで、そこには現役感のない年配の常連がいつも気なるマドンナ(70代らしい)狙いで, 土佐備長炭なみの火花を散らし、一杯のコーヒーでざわざわしているそうです。

コーヒーいろいろ、人生いろいろ。スタバの読書する孤高の年配者、お洒落したデキそうな女性、仙台で火花を散らしているおじさんにも幸あれ。

私はこの原稿を書きながら三杯飲みました。やっぱりコーヒーがないと仕事ははかどりません。では、また。

文:作並太郎

参考資料:コーヒーの科学「おいしさ」はどこで生まれるのか 旦部幸博 著
     2016年講談社

(商品スペック)
「四万十珈琲」土佐備長炭焙煎珈琲 ドリップパック36個セット
 価格 : 4,428円(税込・送料込) 
 ご購入はこちら

■原材料:珈琲豆

■内容量:土佐備長炭焙煎 レギュラーコーヒー8g×16袋、有機栽培8g×16袋

■保存方法:常温保存。高温多湿を避け、冷暗所にて保管ください。

■販売者:株式会社四万十セラードコーヒー(四万十珈琲)
     高知県四万十市中村東町1丁目5-81

たけだバーベキュー・インフォメーション

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■CSTBS「バベる!

いま話題の男性ゲストが、バーベキューやキャンプを通して男を磨くアウトドアバラエティ『バベる!』。
BBQ歴10年以上、日本で唯一のBBQ芸人・たけだバーベキューを案内役に、4人組の次世代ボーイズグループ・OWV(オウブ)が、銀シャリ・鰻和弘とともに、本格的なバーベキューを堪能する。さまざまなアクティビティにも挑戦するほか、焚き火を囲みながら本音トークも。
アウトドアならではの体験を楽しみながら、男としても成長していく。
たけだバーベキューが披露する絶品料理の数々&思わず実践したくなるBBQテクニックも必見。
大自然の中、心を裸にしてアウトドアを満喫するOWVの素顔と、本格的なバーベキューの魅力を前後編にわたってお届けする。

<番組情報>
バベる!−OWVがBBQで男磨き−
前編 6月20日(日)午後11時30分〜深夜0時30分(TBSチャンネル1)
後編 7月18日(日)午後11時30分〜深夜0時30分(TBSチャンネル1)
出演:たけだバーベキュー、OWV(本田康祐、中川勝就、浦野秀太、佐野文哉)

文:作並太郎(本名:松木直也)
1955年生まれ。宮城県仙台市出身。桑沢デザイン研究所卒。宮城大学大学院食
産業学研究科修士過程修了。(専門分野:食育)
1979年より平凡出版社(現・マガジンハウス)の雑誌編集者及びライターとし
て「ポパイ」「ブルータス」などに携わり、音楽や食の関係者のインタビュー
を行う。のち様々な企業誌の編集長を歴任。
90年代後半三國清三シェフとのフランス取材において、ジャック・ピュイゼ教
授(フランス味覚研究所創設者)の「食育メソッド」の提唱を知り、2000年よ
り三國シェフの子どもたちの食育活動をサポート。
現在、東京都市大学付属小学校での食育授業(4年生・年12回)の「ミクニレ
ッスン」は11年目を迎えた。
吉本興業の新宿本社農園で栽培しているイチゴやトウガラシで食育活動を実施
し、「新宿よしもと唐からし」を商品プロデュース。
著名人の伝記も手がけ、著書に「ミクニの奇跡」(新潮社)「加藤和彦ラスト
メッセージ」(文藝春秋)「アルファの伝説 音楽家村井邦彦の時代」(河出書
房新社)がある。

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