島根県邑南町の新名物。“食べる醤油”おおなんの宝『石見ポーク』と『石見和牛』

おおなんの宝『石見ポーク』『石見和牛』

島根県邑智郡邑南(おおなん)町で開発された新商品“食べる醤油”おおなんの宝『石見ポーク』と『石見和牛』です。

これは、島根県住みます芸人、奥村隼也君と同町の老舗〈垣崎醤油店〉の四代目垣崎宏次常務がゼロから商品化に挑み、地元で頑張る生産者、シェフ、そして高校生と取り組みました。 町ぐるみで完成に至った商品には邑南町住民の思いがこめられ、これは小さな町の小さな物語ですが、地方創生のためのジャイアントステップです。

『石見ポーク』は甘口で『石見和牛』はピリ辛。ともに1瓶140gで864円(税込)。では、さっそくいただいてみましょう。

[おおなんの宝、石見ポーク]

ふたを開け、味見をしました。もろみの歯ごたえ、つややかで甘口です。にんにくと青じその香りがします。ここですでにごはんを誘います。

具材は、もろみ醤油、豚肉、椎茸、にんにく、生姜、青じそ、ソテーオニオン、白ごまが含まれています。無添加がまず安心。食べる醤油は、ホカホカの白めし好きにはごはんがすすむ、たまらん魅力があります。

[サンチュ巻き]

具材の豚肉はイノシン酸、オニオンがグルタミン酸、椎茸がグアニル酸。これらすべてのうま味成分が凝縮され、コクがあります。

今夜のおかずに迷ったときはシャキシャキのサンチュ巻き。にんにく、生姜、青じその風味がサンチュとよく合い、一度食べたら止まらないという攻撃力があります。アクセントに白髪ネギ、そして白菜のお漬物。

[やっこさん]

冷奴のトッピングといえば、ネギ、鰹節に醤油とシンプルであっさりですが、ネギ、大葉、(唐辛子少々)に甘口の『石見ポーク』をのせて一味足してみました。

もろみは発酵食品で体内に吸収されやすく、たんぱく質の多い豆腐と合わせることで、疲れている食欲低下時でも消化もよく食べやすく、少々のオリーブオイルをかけるとさらに風味が増します。受験生にもおすすめです。

[おおなんの宝、石見和牛]

おおなんの宝『石見和牛』に使われているのは地元産のブランド和牛。未経産の雌牛だけを限定飼育した年間200頭という希少牛で、これに地元はらやまの椎茸、にんにく、生姜、ソテーオニオンを混ぜ合わせた。

お肉を細かく刻んでいるとはいえ1瓶140gで864円(税込)とはお値打ちがあります。(石見和牛はA4〜A5ランク、お肉だけを買うとなると100g4000円〜5000円!)醤油と味噌の豊かな風味に唐辛子、にんにくのパンチが効いた大人のピリ辛味。

[バゲット]

ワインをゆっくり楽しみたいとか、友だちのおもてなし、土日、家メシのちょっとしたくつろぎ時間の前菜におすすめです。

バゲットに軽くバターをぬって小さじ半分ぐらいの具をのせ、トマト、チーズ、大葉などいろいろとのせてトーストしました。レバーペーストやコンフィなど“のせる系”好きには、もってこい。つけ合わせにザワークラウト、キュウリのピクルス、ベービーリーフサラダを添えて。

ピリ辛でガーリックとトウガラシが効いたスパイシーさがカリカリの香ばしいバゲットによく合います。冷え冷えの白ワインやスパークリングに最適。

[どうやって、おおなんの宝ができたか?]

二代目島根県住みます芸人 奥村隼也。NSC東京校14期生。大阪あべの辻調理師専門学校卒。歴史、城好き。邑南町地域おこし協力隊(耕すシェフ)、松江城時代案内人(奥村笑守隼高)、月山富田城ボランティアガイド。

住みます芸人7年目になる奥村君は、今年4月に邑南町地域おこし協力隊に着任。ここから物語がはじまります。

邑南町は、地域食材を活用した「A級グルメ」を地域おこしの柱にしており、料理人の経験が10年という奥村君はこれまでの実績からするとまさしく適任でした。さっそく料理教室や商品開発を手掛ける町立の「食の学校」を拠点に持ち前の情熱で活動を開始しますが、熱い人には熱い人が引き寄せられるというか、新たな出会いが待っていました。

大正時代創業の老舗〈垣崎醤油店〉の四代目、邑南町を若い世代でなんとかしようという強い思いを持つ垣崎宏次常務の登場です。馬が合ったのか「奥村さん、邑南町をPRできる商品開発を一緒にやりましょう」と、事が運んでいきます。

左、〈垣崎醤油店〉の四代目になる垣崎宏次常務と試作を繰り返すなかでお互いのアイデアを何度もキャッチボール。

当初は、主体食材に島根県の人気特産品「のどぐろ」や「しじみ」なども候補だったそうです。(ちなみに島根県の人気上位のお土産は、松江市穴道湖「しじみ貝」、出雲市「そば」、浜田市の漁港で水揚げされた「のどぐろ」など)

試行錯誤するなか吉本興業ホールディングスの泉正隆さんから「邑南町の食材に徹底的こだわろう!」とアドバイスがありました。

では、邑南町には何があるかというと、日本で数%しか育成されていないヘルシーな豚「ケンボロー種」の石見ポーク、また、良質な血統の黒毛和牛の未経産の雌牛のみ、年間限定200頭しか生産されない希少な石見和牛があるのです。

素材選びに突入していた奥村君はさっそく養豚所を取材。

「関係者以外立ち入り禁止で、衛生管理が行き届いていました。餌もちゃんとしているし、邑南は水が美味しくて、お肉はくさみがなく甘味があります」

また、〈垣崎醤油店〉は創業以来、仕込み本蔵の木桶を大切に使い、伝統の技「木桶熟成醤油づくり」を用いて醤油、味噌を醸造しており、昔からの技術は昨日今日のものではありません。奥村君は垣崎常務から伝統的な醤油づくり学びます。

〈垣崎醤油店〉で、木桶熟成醤油づくりを学ぶ奥村君。

この辺から、食べる醤油、糀(もろみ味噌)と石見ポークと石見和牛のミンチをつかった商品という方向性が決まり、次に、どんな野菜を取り入れるか、二人は地元の農家まわりをはじめます。

商品開発の道、地元の協力]

邑南町の人口は10300人、その多くは第一次産業です。町内では有機野菜や西洋野菜に取り組み、エコファーマーの取得農家数も多いと聞きます。

農地の休耕田を活用し夏場にピオーネをつくり、冬場に菌床椎茸を栽培しているところもあり、まずは、はらやまの椎茸が決定。そして、自然栽培しているにんにく農家や隣町の桜江町の唐辛子農家へも行き、直接交渉です。

[高校生もシェフも協力参加]

島根県立矢上高校が邑南町にあり、ここの産業技術科の生徒たちは授業で味噌づくりの実習をしています。奥村君が出来たばかりのサンプルを教室で試食してもらい、ことの成り行きを熱く語ります。生徒たちの心にも響き、こんなことから彼らがつくった味噌も使用することになったのです。

島根県立矢上高校産業技術科の生徒たち。

生産者や高校生の応援団が増えるなか、垣崎常務は「このままでは、まだ出せない」という迷いがありました。それは瓶入りの商品を冷蔵庫に入れておくと材料が牛と豚なのでどうしても脂が白く固まり、見た目があまり良くないということでした。二人は邑南町のレストランでも試食してもらいます。あるとき、垣崎常務の迷いは解決します。

「見た目の問題を里山レストラン〈AJIKURA〉のオーナーやシェフに相談させていただくと『脂身が少ない肉の部位をなるべく使うように』とアドバイスをいただきました』と、感謝です。

〈AJIKURA〉の田村弘志シェフが的確なアドバイスを。

邑南町の最高の食材がたっぷり詰まった、おおなん宝「石見ポーク」と「石見和牛」はついに9月吉日に完成し、邑南町の関係者も集まり試食されました。

東京本社から泉正隆さんも参加。

よしもとのコラボ商品として販売をはじめた〈垣崎醤油店〉の垣崎常務は「邑南町の牛、豚を大事にしてつくり続けたいです」。また、開発に携わったエリア社員の岩成優子さんは「町のいろいろな方々が一丸となって協力してくれました。邑南町のPRをオール邑南の方々とできて本当によかったです」。

奥村君は「大変ありがたいことに、注文殺到しております。また、おおなんの宝がついにふるさと納税返礼品に仲間入りしました」と嬉しそうに語りました。おおなんの宝は、つまり、町のみんなの協力でつくりあげた邑南町の宝もの。

「Cheeky’s store」では、記念すべき第1号商品として紹介いたします。

〈有限会社垣崎醤油店〉

〒696-0102 島根県邑智郡邑南町中野1046

https://kakizaki-s.com

【おおなんの宝・石見ポーク】

原材料:大麦(国産)、しょうゆ(大豆・小麦を含む)豚肉、椎茸、にんにく、生姜、水あめ、青じそ、ソテーオニオン、白ごま

内容量:140g

製造者:有限会社垣崎醤油店

価格:864円(税込)

【ご購入はこちら

【おおなんの宝・石見和牛】

原材料:大麦(国産)、しょうゆ(大豆・小麦を含む)粗糖、牛肉、椎茸、にんにく、生姜、ソテーオニオン、味噌(大豆を含む)、唐辛子

内容量:140g

製造者:有限会社垣崎醤油店

価格:864円(税込)

【ご購入はこちら

■島根県邑智郡邑南(おおなん)町はどこにあるのか?

島根県のほぼ中央に位置し、火下山、冠山、原山、雲井山など山地に囲まれた田舎の町だ。町には美しい水が流れ、盆地には田畑が広がっている。平成16年に羽須美村(旧)、瑞穂町(旧)、石見町(旧)の三町村合併により新しく誕生した。東京から邑南町へ行くとすると、東京駅から新幹線で広島(約4時間)、そこから高速バス、石見銀山号で約2時間、乗車時間だけで約6時間、乗り継ぎがよくても所要時間は7時間かかる。運が良ければ早朝に霧の海「雲海」を見ることができる。

文:作並太郎(本名:松木直也)
1955年生まれ。宮城県仙台市出身。桑沢デザイン研究所卒。宮城大学大学院食
産業学研究科修士過程修了。(専門分野:食育)
1979年より平凡出版社(現・マガジンハウス)の雑誌編集者及びライターとし
て「ポパイ」「ブルータス」などに携わり、音楽や食の関係者のインタビュー
を行う。のち様々な企業誌の編集長を歴任。
90年代後半三國清三シェフとのフランス取材において、ジャック・ピュイゼ教
授(フランス味覚研究所創設者)の「食育メソッド」の提唱を知り、2000年よ
り三國シェフの子どもたちの食育活動をサポート。
現在、東京都市大学付属小学校での食育授業(4年生・年12回)の「ミクニレ
ッスン」は11年目を迎えた。
吉本興業の新宿本社農園で栽培しているイチゴやトウガラシで食育活動を実施
し、「新宿よしもと唐からし」を商品プロデュース。
著名人の伝記も手がけ、著書に「ミクニの奇跡」(新潮社)「加藤和彦ラスト
メッセージ」(文藝春秋)「アルファの伝説 音楽家村井邦彦の時代」(河出書
房新社)がある。

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