群馬県利根沼田地域、川場村生品の「手ぼうき」は住みます芸人のチョッキGT5000がつくっています。

おうち時間をここちよくするには、まずは仕事場の机から

このコロナ禍での外出を控えた生活が1年ちょっと続いておりますが、みなさんにおかれましては「おうち時間」を充実させるべく、小さなことを中心にさまざまなトライをなさっていることと思われます。 ネットでも、実りのある「おうち時間」の過ごし方のために「生活に役立つグッズや面白いアイテムを購入する」とか「工作やDIYに挑戦する」とか、いろいろと紹介していますが、今回はホームワークが続くなか、机まわりの掃除に最適な「手ぼうき」を紹介します。正式な商品名は「デスクを美しくする、利根沼田の座敷箒」です。

ところで整理整頓、私は仕事を終えて、机の上の書類やなんやらを片付けて、何もない状態で終わりにしたいタイプで、キーボードの汚れもクリーナーで拭き取り、いまだに鉛筆で原稿を書くこともあるので消しゴムのカスがキーボードにはさまるので、それも取り除きます。
これまで専用のハケとブラシを使っていましたが、2ヶ月前からこの手ぼうきに変えました。
ささいな道具ですが、手にも馴染み、机の上をカサッカサッとする行為はほうき独特の音が清々しいもんです。
特徴は草の弾力が強くコンパクトで、ちり、ゴミ、ほこりに敏感な方は特にこんなものがあると便利だと思います。

ほうき職人チョッキGT5000は「地域おこし協力隊」の隊員

これは群馬県住みます芸人「チョッキGT5000」さんが手作りしたものです。彼の本名は一寸木智詞(ちょっき とものり)。かなり珍しい苗字ですね。

一寸木君は群馬県利根沼田地域の川場村生品(なましな)というところで、90歳になるほうき職人の千木良敬一郎(ちぎら けいいちろう)さんに弟子入りし、いろいろと学びながら、毎日早起きしてせっせとほうきをつくっております。

さて、チョッキさんが、お笑い芸人でありながら、なぜ、こういったことをするようになったかと言うと、総務省管轄、(一社)地域活性センターによる、地方自治体との連携で行われている「地域おこし協力隊」の隊員だからです。ちなみにこの地域おこし協力隊のHPには全国の市町村から、例えば鳥取県【日野町】地域おこし協力隊(しいたけ栽培研修生)募集などといった隊員募集情報があり、これは見るだけでも面白いですよ。
地域おこし協力隊:https://www.iju-join.jp/chiikiokoshi/index.html

                 地図:群馬県 川場村

群馬県利根沼田地域の川場村は、東京・新宿から関越自動車道で2時間ぐらい。最寄駅はJR上毛高原。利根沼田地域は沼田市、片品村、川場村、昭和村、 みなかみ町の5つの市町村からなる。

                   川場村の風景

川場村は谷川岳・日光白根山・武尊山などの日本百名山に囲まれた自然豊かなところ。温泉場、スキー場がある。

一寸木君は掃除好きの小学生だった

利根沼田地域は明治以前より、ほおきづくりが冬の副業として盛んでしたが、現在、川場村には93歳・90歳・70代なる職人さんが3人しかおりません。彼らの技術を学ぶためにチョッキさんはこの町で暮らし、時には寄り合いの司会などの仕事もしながら、ほうきの世界にぐいぐいとのめりこんでおります。今年41歳になりますが、高齢化トリオに比べたらヤングな職人見習いです。(久しぶりにヤングを使いましたが新鮮です)

彼は、神奈川県足柄上郡中井町の生まれで、この町は酪農や農業が盛ん。実家はお米とみかんの農家で、高校を卒業後、家業の手伝いをしながら、国内B級ライセンスをとり、ジムカーナのレースに出場しレーサーを夢見ていました。しかし志半ばでクラッシュをおこし臨死体験をします。(2歳ぐらいのときのことが走馬灯のようにまわったらしい)

その後、人に喜ばれる仕事がしたいと、芸人を目指し2006年、27歳のときに吉本総合芸能学院NSC東京校に入り、卒業後ピン芸人として、よしもと浅草花月(2006年~2015年)などの舞台に立ちます。素肌に黒いチョッキがトレードマークでした。

本名の一寸木の苗字は武田信玄にゆかりがあるそうだ。

ちょっといかつい顔をしていますが、小学校の頃は他の人が嫌がる雑用をよくやる縁の下の力持ちで、6年間一つも休まず頑張って教室の掃除をしたことが先生に褒められ、これは彼の自慢です。

            デカイ小学生でした

また、ほうき職人を目指す前に、神奈川の「箱根寄木細工」の職人になることを考え、母親の知り合いの職人の面談が決まっていましたが、この職人さんが亡くなり、その道は閉ざされてしまい、今があるわけです。

「ほうきをつくるのは簡単ではありません。今も道具の使い方を職人さんから教えてもらっていますが、100年ぐらい前のものばかりで、僕はこれだけでも大事に守っていきたいです。最近では地元の小学校でもほうきを知らない子どもがいて、そんな途絶えそうななか、やはりずっと使われていくほうきをつくっていきたいです」と、チョッキさんは話してくれた。

ところで、チョッキさんがつくっているのは川場村生品(なましな)の地場の名品「生品ほうき」。原料は「ほうきもろこし」というイネ科植物の穂茎をとったもので、これを「草」と呼び、製法は、この草を柄に固定しながら編み上げて完成させていく。

ほうき結いは、実に根気のいる仕事で、草の一本一本を吟味して、「からさき」と呼ぶ小刀で草の芯を裂き、針金とあみ糸で形を整え、竹の皮の部分を薄く削り細くした「ひご」で編む。 美しく編みあげた「生品ほうき」は掃除道具というよりは伝統民芸品で、長柄ほうきで5,000円~8,000円する。地元の道の駅などで販売。

「ほうきもろこし」を栽培するところからはじめたい

さてチョッキさんは、これから「ほうきもろこし」の種をまき、材料を栽培するところからはじめたいと言う。

6月から7月初旬に畑に種まきし、8月下旬に大人の背丈ぐらいに成長した穂をかきとって、穂茎は実を落とし熱湯を通し、天日で3日ぐらいで干しあげる。このときの天候で品質の良し悪しが決定するそうだ。
まさに、ほうきも自然界からの贈り物ということになる。

「コロナ禍でおうち時間が増えて、電気掃除機は音がうるさいという人もいて、ほうきを使う人が増えてきたといういい話も聞きます。僕もこちらにお世話になってから、ようやく一つが認められ、なんとか組み立て方がわかってきた感じです。師匠からミニほうきのつくりかたを教えてもらい、僕のヒモのアイデアも採用してもらい、今では1日に7本から10本つくれるようになりました」

チョッキさんは今年の3月、東京の小田急デパートで開催された「日本のものづくり~春感・いいものとの出会い~」に自ら作成した生品ほうきを出品した。それを足柄から見に来てくれた母親が「そういえば、小学校のときのあだ名が『ほうき職人』だったね」と思い出したそうだ。(掃除を一生懸命していたから、そう呼ばれていた)

そんなことすっかり忘れていたチョッキさんは、なぜか、愚直なままに本物のほうき職人になっていたのであります。まだまだ、ヤングだけど。

文:作並太郎

(商品スペック)
デスクを美しくする、利根沼田の座敷箒
 価格 : 880円(税込・送料込)
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チョッキGT5000さん作による、オリジナル卓上サイズです。箒の端材を活用して制作するため、より環境にも優しいエコ箒です。商品の名称は、芸人ながらラジオCM等、多くの広告制作に関わる「グランジ 五明拓弥」さんがネーミング。

<チョッキGT5000さんのコメント>
 お子さまのお掃除お手伝いにも掃除機は重たくて大変だけど、こちらのミニ箒 (机上箒)ならご安心、小学校時代唯一褒められたのが掃除時間だったチョッキGT5000オススメのミニ箒。急速に広まったデスクワークやオンライン、気になるキーボードの隙間のお掃除に!
多くなったおうち時間、気軽に掃除機かけられないそんな時にも!

・サイズ:縦 約13cm × 横 約10cm
・重さ:約20g
 ※1つ1つ手作りのため、個体差がございます。

利根沼田の座敷箒 袋箒
 価格 : 5,720円(税込・送料込)
 ご購入はこちら

<チョッキGT5000 さんからのコメント>
 戦前から時を超えて帰って、、、直帰してきた伝統の袋箒。明治大正昭和平成を生きた箒をぜひ令和の今プレゼントにも最適!僕もママに、、、お袋にプレゼントしよう!

・サイズ:縦 約80cm × 横 約35cm
・重さ:約800g
 ※1つ1つ手作りのため、個体差がございます。

利根沼田の座敷箒 3つ玉
 価格 : 2,750円(税込・送料込)
 ご購入はこちら

<チョッキGT5000さんからのコメント>
 全ての始まり!全職人がここから始めた3つ玉箒、たまたま、たま〜にお掃除される方にもおすすめです

・サイズ:縦 約50cm × 横 約20cm
・重さ:約600g
 ※1つ1つ手作りのため、個体差がございます。

文:作並太郎(本名:松木直也)
1955年生まれ。宮城県仙台市出身。桑沢デザイン研究所卒。宮城大学大学院食
産業学研究科修士過程修了。(専門分野:食育)
1979年より平凡出版社(現・マガジンハウス)の雑誌編集者及びライターとし
て「ポパイ」「ブルータス」などに携わり、音楽や食の関係者のインタビュー
を行う。のち様々な企業誌の編集長を歴任。
90年代後半三國清三シェフとのフランス取材において、ジャック・ピュイゼ教
授(フランス味覚研究所創設者)の「食育メソッド」の提唱を知り、2000年よ
り三國シェフの子どもたちの食育活動をサポート。
現在、東京都市大学付属小学校での食育授業(4年生・年12回)の「ミクニレ
ッスン」は11年目を迎えた。
吉本興業の新宿本社農園で栽培しているイチゴやトウガラシで食育活動を実施
し、「新宿よしもと唐からし」を商品プロデュース。
著名人の伝記も手がけ、著書に「ミクニの奇跡」(新潮社)「加藤和彦ラスト
メッセージ」(文藝春秋)「アルファの伝説 音楽家村井邦彦の時代」(河出書
房新社)がある。

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