新潟県立長岡農業高校の生徒が手がけた純米酒。加賀の井「結~MUSUBU~」でコロナをぶっ飛ばせ!ゲスト:チカコホンマさん(新潟県住みます芸人)
最近、日本酒がますます美味しくなっております。日本全国の銘酒を取り揃えた料理屋も多く、名だたる日本酒が冷蔵庫に入っており、「今日はどんなお酒がおすすめですか?」なんて聞くと、本当に詳しく説明してくれ、こういうのに慣れると、つっけんどんな人だと何か物足りなく感じる今日この頃でございます。
さて、今回紹介する新潟の純米酒「結(むすぶ)」は、高校生が酒米から手がけたお酒で、酒造りの現場研修は糸魚川の老舗酒蔵〈加賀の井酒造〉で行われています。
酒米は新潟生まれの「五百万石」で、オリジナル純米酒「結」は、淡麗でスッキリとした味わい。日本全国の銘酒にひけを取らない、いいお酒です。
生徒は循環型農業を目指した
ことは、2019年、新潟県立長岡農業高校の生産技術科作物生産コースの3年生四人が、卒業研究で『酒かす』に含まれている栄養素にたくさんの利用価値があることに注目したところから動き始めます。
学生たちは「酒かすを肥料にして酒米を栽培したら、どうなるか?」学校の20アールの田んぼに、新潟生まれの酒米「五百万石」の稲を植え、肥料は酒かす、つまり米が酒になる工程で出来た酒かすが、また米を育てる肥料になるという“循環型農業”を目指したのであります。これもまた新しい農業のあり方です。
そして、この校内実習にとどまらず、実際に酒蔵で酒造りにも挑戦。これは糸魚川市の加賀の井酒造の小林大祐蔵元が「みんなが一生懸命育てたものをかたちにするお手伝いができれば」とコラボ的に受け入れてくれました。
また、加賀の井酒造の精米などで関わるエコ・ライス新潟の豊永有さんは全体のプロデューサーとして参画。学生たちが酒かすをちぎって豆粒状にしビニールハウスで乾かし、それを田んぼにまいて、土づくりするところから関わりました。
大人が温かく見守った
生徒が栽培した酒米が長岡から糸魚川に運ばれたのは2020年12月、そこから醸造が始まりますが、コロナ禍の影響から、なかなか思うように作業ができません。
それでも学生たちは仕込みの工程などを学び、2月に自分たちが育てた酒米がタンクのなかで発酵していく醪(もろみ)を観察し、撹拌作業などを体験します。
様子をそばで見ていた小林蔵元と豊永さんの眼差し
「自分たちには仕込みも醪(もろみ)も日常のプロセスですが、生徒さんたちは自分たちが作ったお米がお酒になるという驚きや感激を隠さず、日本酒作りの技術に感動し、僕にとってはそんな見方があるんだと、新鮮な発見がありました。
僕はあらためて新潟で日本酒をつくることの誇り、仕事の尊さを再認識しました。彼らはラベルのデザインも何パターンも考えて書道部の方が描きましたが、いろんな角度から実験を繰り返し、ものづくりの楽しさを共有できて良かったです」
エコ・ライス新潟の豊永さんは……
「彼らとは2年生のときから会っていますが、今回の体験は、今まで言われてきた酒米の栽培は難しいというところから始まっていて、辛抱強く本当によくやったと思います。
お米から酒づくりにつなげていく流れを、自分たちが稲から育て、そのお米が液体になる、お酒に変化していく作業はとても貴重な体験だったと思います。単なる体験ではなく、それが商品化されるとうのは、今後多くの高校生たちに広がっていって欲しいですね」
商品名を「結(むすび)」にしたのはコロナ禍で断絶されたている地域を結ぶお酒になるようにと命名したそうです。ですから、皆さまにおかれましては、このお酒をいただいて、コロナ禍のなか、仲良しとのご一献がおすすめ。
2021年3月1日、学生たちの卒業式に合わせて地元スーパーで、まず販売すると、すでに父兄たちの口コミで広がっており、高校のOBたちが買い求め売り切れ。今回、Cheekys storeでは限定10本に販売になります。
フランスでも喜んでいます
また、フランスの日本食レストラン「蔵」、弁当ショップ「HANA」でも販売され、オーナーのジェローム ブラッコさんから「MUSUBUの見本が届きました。関わった学生の方々、加賀の井さん、豊永さん、ありがとうございました。 味見をしましたがとても美味しく、フランスでも喜んでいます。そして、MUSUBUを販売することを楽しみにしています」とメッセージが届いてました。
ところで、学生たちは「自分が20歳になったときに飲み、思い出を振り返りたい」と関係者たちの手によってタイムカプセルに保存され冷凍されています。来年飲めるそうですが「親の小言と日本酒は後からきく」と、ホントのおじさんはつまらないこと言っちゃう。
チカコホンマさんに「結」を試飲
さて、今回は新潟県住みます芸人、最近ではYouTubeでも人気のチカコホンマさんに「結」を試飲してもらいました。
同じ新潟という理由だけではなく、実は彼女は以前(2016年)新潟の長岡で農業住みます芸人の体験があり、お米も育て、なんと酒造りも体験しており、日本酒が大好き。
作並:チカコホンマさん「結」を飲まれてどうでしたか?
ホンマさん:私もお米の洗浄から蒸して釜に入れる移すことをやりましたが、高校生がつくるって面白いし、ラベルもいいですよね。お酒ってつくり手のことを想像しながら飲むと美味しさがまた違うのですが、この「結」はほんのりと辛口で、すっきりとした味わいです。
加賀の井さんは、2016年12月の糸魚川市の大規模火災で大変だったと聞いています。新しい酒蔵がリ・スタートした大変ななか、高校生を受け入れて懐が深いと思います。こいう世の中だから「結」は明るい話題ですね。私もいただいて前向きに行きたいです。それから高校生が20歳になって、このお酒を飲むときに私も立ち会いたいです。
作並:「結」は、どんな料理に合うと思いますか?
ホンマさん:『サラダホープ』がいいと思います。
作並:なんですか、『サラダホープ』って?
ホンマさん:新潟の亀田製菓のあられです。新潟限定のロングセラーで「海老しお味」と「まろやかな塩味」が、日本酒にも合います。60年前から販売さていて、全国に類似品が多すぎて、あえて新潟限定にしているそうです。
作並:他にありますか?
ホンマさん:新潟の「サーモンの塩辛」。これはサーモンのハラスを新潟県産米で仕込まれた塩麹で漬け込んだ、新潟の真面目さを感じます。
作並:おいしそうですね。ところでホンマさんのお酒はどんな飲み方ですか、また、飲むとどうなりますか?
ホンマさん:私がお世話になった長岡は日本酒で乾杯を推進する条例があって、乾杯は長岡の酒蔵の日本酒なんです。だからまず、日本酒で乾杯して1合飲んだら、次はビールの中瓶ですね。それからはいろいろです。
飲むと、ずっとしゃべってますね(笑)。それから泣いちゃう(笑)。一緒に飲んでいる人からは、『何で泣くんだよ』とよく言われます。
作並:今でも長岡の農家さんと交流はあるのですか?
ホンマさん:私のYouTubeを見てくださっている年配者も多くて『いつでも嫁に来い』とか『こっち帰ってこいやー』とか言われます。以前、お金がないときにお米を送っていただいたときは泣きながら、本当に一所懸命頑張ろうと思いました。
作並:ありがとうございました。
余談ながら作並、チカコホンマさんが長岡で農業住みます芸人をやられている頃から知っておりまして、一度長岡のえだまめを東京新宿の畑に植えていただいたこともあります。
あれから3〜4年、彼女は今、新潟の住みます芸人として活動しているのですが、ローカルのテレビでレギュラーをもつなど、活躍しているのです。やっぱり農業体験が一回りも二回りも大きくさせたのでないかと思っております、もちろん芸人としてですよ。
文:作並太郎
(商品説明)
【数量限定・特別販売】加賀の井 純米酒「結~MUSUBU~」
販売価格:1,320円(税込)
ご購入はこちら
※20歳未満の方の飲酒は法律で禁止されています。20歳未満の方には酒類の販売は致しません。
・味わい:芳醇・やや辛口
・おすすめの飲み方:ロック△・冷酒◎・常温◎・ぬる燗〇・熱燗×
・内容量:720㎖
・原材料名:米(新潟県産)、米こうじ(新潟県産米)、五百万石100%使用
・精米歩合:65%
・アルコール分:15度
・製造日:2021年2月
・製造者:加賀の井酒造株式会社
新潟県糸魚川市大町2-3-5
※在庫がなくなり次第販売終了となります。
文:作並太郎(本名:松木直也)
1955年生まれ。宮城県仙台市出身。桑沢デザイン研究所卒。宮城大学大学院食
産業学研究科修士過程修了。(専門分野:食育)
1979年より平凡出版社(現・マガジンハウス)の雑誌編集者及びライターとし
て「ポパイ」「ブルータス」などに携わり、音楽や食の関係者のインタビュー
を行う。のち様々な企業誌の編集長を歴任。
90年代後半三國清三シェフとのフランス取材において、ジャック・ピュイゼ教
授(フランス味覚研究所創設者)の「食育メソッド」の提唱を知り、2000年よ
り三國シェフの子どもたちの食育活動をサポート。
現在、東京都市大学付属小学校での食育授業(4年生・年12回)の「ミクニレ
ッスン」は11年目を迎えた。
吉本興業の新宿本社農園で栽培しているイチゴやトウガラシで食育活動を実施
し、「新宿よしもと唐からし」を商品プロデュース。
著名人の伝記も手がけ、著書に「ミクニの奇跡」(新潮社)「加藤和彦ラスト
メッセージ」(文藝春秋)「アルファの伝説 音楽家村井邦彦の時代」(河出書
房新社)がある。